レベリオン・レーシングとは? わかりやすく解説

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レベリオン・レーシング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/07 18:58 UTC 版)

レべリオン・レーシング
本拠地 スイス
活動期間 2007-2020
カテゴリ FIA世界耐久選手権
ルマン24時間レース
ル・マン・シリーズ
ダカール・ラリー
公式サイト https://www.rebellion-racing.com/en/
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レベリオン・レーシングRebellion Racing)はスイスのレーシングコンストラクター。2008年には時計の高級ブランド「レベリオン」を設立している[1]

歴史

初期

ローラB10/60・トヨタ(2011年)

2007年よりル・マン・シリーズGT2クラスに参戦を開始し、ランキング5位に入った。2008年にはLMP2クラス、2010年にはLMP1クラスへとステップアップしている[2]

2011年よりTMG(トヨタ・モータースポーツ)がLMP1エンジン(RV8K-LM・V8自然吸気)供給をするという形でパートナーシップを結び、2010年の10月にポルトガルのポルティアモとスペインのモンテブランコでレベリオンとTMGが集いテスト走行を行った。シャーシはローラ・B10/60である。この時点でのドライバーはニール・ジャニ/ニコラ・プロストとアンドレア・ベリチッチ/ジャン=クリストフ・ブイヨンであった。

ル・マン24時間レースでは12号車のニコラス・プロスト/ニール・ジャニ/ジェロエン・ブリークモレンが予選で8位、決勝では6位フィニッシュを記録し、ガソリン車ではトップのフィニッシュとなった。13号車のアンドレア・ベリチッチ/ジャン=クリストフ・ブイヨン/ガイ・スミスは190週目でリタイアを喫した。しかし同年のル・マンシリーズでは1点差でLMP1クラスチーム王者に輝いている。

またインターコンチネンタル・ル・マン・カップの、珠海国際サーキットで行われた珠海6時間レースでは劇的なレースを展開する。ニール・ジャニ/ニコラス・プロストのマシンはレース序盤にアラン・マクニッシュの駆るアウディ・R18と接触し、ボディ全体を取りかえるために予定外のピット作業を敢行しなければならなかった。そこからインターコンチネンタル・ル・マン・カップのLMP1クラスでのランキング3位を保持するために必要なポイントが獲得できる4位まで追い上げてフィニッシュした。そして見事、ディーゼル・ターボのプジョーとアウディに次ぐシリーズ3位の座をものにした。

WEC参戦

ロータス・トヨタ(2012年)

2012年2月1日にニック・ハイドフェルドがドライバーラインナップに加わり、同年開幕のFIA 世界耐久選手権(WEC)に参戦することが発表された。またロータスがスポンサーにつくことが発表され、エントリー名はロータス・レベリオン・レーシングとなった。セブリング12時間レースで12号車のニコラス・プロスト/ニック・ハイドフェルド/ニール・ジャニが3位表彰台を獲得した。また同年プチ・ル・マンにも参戦、総合優勝を収めている。

レベリオン・R-One(2014年)
オレカ 07・ギブソン 31号車(2017年)

2014年にロータスとの2年間の契約が終了し、新規にレベリオン・レーシングとしてFIA 世界耐久選手権(WEC)にプライベーターとしてLMP1-Lのクラスに参戦。初戦は前年と同じローラ・B12/60を使うが、第2戦からはフランスのコンストラクターであるオレカと共同開発した新型車両のレベリオン・R-Oneを投入した。ワークスハイブリッド勢の競争が激化したことで、ライバルがバイコレスのみという状態ではあったが、3年間稀少なプライベーターとしてLMP1に2台体制で参戦し続けた。なお2015年にはエンジンをトヨタからAER製の2.4LV6ツインターボに変更している[3]

2017年は競争を求めてLMP2にステップダウン。2台体制での参戦で、シャーシはオレカ・07。ル・マンでは優勝できなかったものの、シリーズでは前年圧倒的な強さを誇っていたシグナテック・アルピーヌ・マットムートや、最終戦までチャンピオン争いを繰り広げたジャッキー・チェン・DCレーシングを打ち破り、チャンピオンとなった。

2018年はLMPのワークスがトヨタ1社となり、プライベーターにも有利なレギュレーションとなったため、他の多数のプライベーターたちと共にLMP1に2台体制(1号車と3号車)で復帰する。ドライバーは1号車がニール・ジャニアンドレ・ロッテラーブルーノ・セナ。3号車がグスタヴォ・メネゼス、トーマス・ローラン、マティアス・ベシェの計6名。マシンはR-One同様オレカとの共同開発のレべリオン・R13、エンジンはギブソン製・GL458を搭載する。2018年4月にはTVRとの提携を発表した[4]。シーズンの多くはトヨタ勢の後塵を拝したが、トヨタ・TS050 HYBRIDの2台がチェッカー後に失格となったシルバーストンで、繰り上がりではあるが3号車(メネゼス/ローラン/ベシェ組)がシーズン初優勝を果たした。

レべリオン・R13 3号車(2019年)

2019年-2020年のシーズンはメンバーを変更。離脱したジャニとロッテラーに代えて、メネゼスが1号車へ移り、新たにノーマン・ナトがレギュラーメンバーとして加入した。予選及びレースではサクセス・ハンディキャップの助けもあり、第4戦上海と第5戦ローンスター・ル・マン(COTA)で勝利した。

2020年はチームオーナー兼プレジデントのアレクサンドル・ペシが、ロマン・デュマが率いるチームRDリミテッドがプジョー・3008 DKRをベースに開発した『レベリオンDXXバギー』のステアリングを自ら握り、ダカール・ラリーにも参戦。TOYOTA GAZOO Racingで前年総合優勝を果たしたナッサー・アル=アティヤ/マシュー・バウメル組から指導を受けた[5]甲斐あって、ルーキークラス3位、ガソリン二輪駆動車クラス11位で完走を果たした[6]

このように精力的な活動を行ってきたレベリオンは一時はプジョーハイパーカー規定で提携することも正式に発表されていた[7]が、ダカール初参戦直後の2020年2月13日、突如として「ブランド戦略の方針転換」を理由に同年のル・マンを最後にモータースポーツを含むすべてのスポーツビジネスを終了することを発表[8]。その後バーレーン戦まで継続する予定であったが実際にはエントリーをせず、結果的にはル・マンで15年に渡るモータースポーツの歴史に幕を下ろした[9]

WEC撤退後

しかし2020年4月に、CEOのカリム・ブハドラはダカールやグループGT3で活動を続ける可能性を示唆した[10]。GT3は実現していないが、ダカールラリーはその言葉通り現在も活動が行われている。2022年は水素自動車の開発を目論むシリル・デプレを支援し、2023年は独自開発のバギーを放棄して2台のワークススペックのGRダカールハイラックスT1+を得て参戦した。

時計事業でもモータースポーツ業界への関与を続けており、2020年3月からブランパンに代わってGTワールドチャレンジの公式タイムキーパーを務めている。同年途中には日本展開も表明し、全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦するBuzz Racing Team with B-Max、及びスーパー耐久に参戦するAudi Team Marsのスポンサーにも就任した[11]。また2022年よりWRCに参戦する勝田貴元の個人スポンサーにも就任している。

R13は、LMP1にステップアップしたアルピーヌが新規則のLMH/LMDhまでの繋ぎとしてWEC参戦マシンとして流用され、2021年ル・マンで3位表彰台を獲得している。

戦績

ル・マン24時間レース

チーム 車両 クラス No. ドライバー 周回数 総合順位 クラス順位
2008 スピーディ・レーシングチーム
セバー・オートモーティブ
ローラ・B08/80
ジャッド DB 3.4 L V8
LMP2 33 スティーブ・ザッキア
アンドレア・ベリッキ
ザビエル・ポンピドゥー
194周 DNF DNF
スピーディ・レーシングチーム スパイカー・C8 ラヴィオレット GT2-R GT2 94 アンドレア・キエーザ
イラジ・アレクサンダー英語版
ベンジャミン・ロイエンバーガー
72周 DNF DNF
2009 スピーディ・レーシングチーム
セバー・オートモーティブ
ローラ・B08/60
アストンマーティン 6.0 L V12
LMP1 13 アンドレア・ベリッキ
ニコラ・プロスト
ニール・ジャニ
342周 14位 12位
ローラ・B08/80
ジャッド DB 3.4 L V8
LMP2 33 ベンジャミン・ロイエンバーガー
ザビエル・ポンピドゥー
ジョニー・ケイン
343周 12位 2位
2010 レベリオン・レーシング ローラ・B10/60
レベリオン 5.5 L V10
LMP1 12 ニコラ・プロスト
ニール・ジャニ
マルコ・アンドレッティ
175周 DNF DNF
13 ジャン=クリストフ・ブイヨン
アンドレア・ベリッキ
ガイ・スミス
143周 DNF DNF
2011 レベリオン・レーシング ローラ・B10/60
トヨタ RV8KLM 3.4 L V8
LMP1 12 ニコラ・プロスト
ニール・ジャニ
ジェロエン・ブリークモレン
338周 6位 6位
13 アンドレア・ベリッキ
ジャン=クリストフ・ブイヨン
ガイ・スミス
190周 DNF DNF
2012 レベリオン・レーシング ローラ・B12/60
トヨタ RV8KLM 3.4 L V8
LMP1 12 ニコラ・プロスト
ニック・ハイドフェルド
ニール・ジャニ
367周 4位 4位
13 アンドレア・ベリッキ
ジェロエン・ブリークモレン
ハロルド・プリマ英語版
350周 11位 7位
2013 レベリオン・レーシング ローラ・B12/60
トヨタ RV8KLM 3.4 L V8
LMP1 12 ニコラ・プロスト
ニック・ハイドフェルド
ニール・ジャニ
275周 39位 7位
13 マティアス・ベシェ
アンドレア・ベリッキ
チェン・コンフー英語版
275周 40位 8位
2014 レベリオン・レーシング レベリオン・R-One
トヨタ RV8KLM 3.4 L V8
LMP1-L 12 ニコラ・プロスト
ニック・ハイドフェルド
マティアス・ベシェ
360周 4位 1位
13 アンドレア・ベリッキ
ファビオ・ライマー
ドミニク・クライハマー英語版
73周 DNF DNF
2015 レベリオン・レーシング レベリオン・R-One
AER P60 2.4 L ターボ V6
LMP1 12 ニコラ・プロスト
ニック・ハイドフェルド
マティアス・ベシェ
330周 23位 10位
13 アレキサンドレ・インペラトーリ
ドミニク・クライハマー英語版
ダニエル・アプト英語版
336周 18位 9位
2016 レベリオン・レーシング レベリオン・R-One
AER P60 2.4 L ターボ V6
LMP1 12 ニコラ・プロスト
ニック・ハイドフェルド
ネルソン・ピケJr.
330周 29位 6位
13 ドミニク・クライハマー英語版
アレキサンドレ・インペラトーリ
マッテオ・トゥシェ英語版
200周 DNF DNF
2017 ヴァイヨン・レベリオン オレカ・07
ギブソン GK428 4.2 L V8
LMP2 13 ネルソン・ピケJr.
マティアス・ベシェ
デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン
364周 DSQ DSQ
31 ブルーノ・セナ
ニコラ・プロスト
ジュリアン・カナル
340周 16位 14位
2018 レベリオン・レーシング レベリオン・R13
ギブソン GL458 4.5 L V8
LMP1 1 アンドレ・ロッテラー
ニール・ジャニ
ブルーノ・セナ
375周 4位 4位
3 マティアス・ベシェ
グスタヴォ・メネゼス
トーマス・ローラン英語版
376周 3位 3位
2019 レベリオン・レーシング レベリオン・R13
ギブソン GL458 4.5 L V8
LMP1 1 アンドレ・ロッテラー
ニール・ジャニ
ブルーノ・セナ
376周 4位 4位
3 マティアス・ベシェ
グスタヴォ・メネゼス
トーマス・ローラン英語版
370周 5位 5位
2020 レベリオン・レーシング レベリオン・R13
ギブソン GL458 4.5 L V8
LMP1 1 グスタヴォ・メネゼス
ノーマン・ナト
ブルーノ・セナ
382周 2位 2位
3 ナタナエル・ベルトン英語版
ルイ・デレトラズ
ロマン・デュマ
381周 4位 4位

脚注

関連項目

外部リンク




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