久留米絣とは? わかりやすく解説

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くるめ‐がすり【久留×絣】

読み方:くるめがすり

久留米地方から産する堅牢(けんろう)な木綿紺絣江戸後期井上伝創始といわれる

久留米絣の画像
久留米絣の画像
久留米絣を染め作業
久留米絣の画像

久留米絣

名称: 久留米絣
ふりがな くるめかすり
芸能工芸区分 工芸技術
種別 染織
認定区分 保持団体認定
指定年月日 1957.04.25(昭和32.04.25)
解除年月日
指定要件 一 手くびりによる絣糸を使用すること。
二 純正天然藍染めること。
三 なげひの手織機で織ること。
備考 昭和32年4月25日 指定・認定保持者(代表者)・矢加部アキ(絣手くびり)ほか5名)
昭和51年4月30日 認定解除保持者(代表者)・松枝一(絣手くびり)ほか4名)(※法改正による)
昭和51年4月30日 認定保持団体重要無形文化財久留米絣技術保持者会)(※法改正による)
解説文: 久留米絣【くるめがすり】は、江戸時代の末に、井上伝創案したものと伝えられる明治以降広く愛好され着物夜具地等の需要に応じて木綿絣の代表的存在となった。絣の形術が興って、はじめて日常衣料模様織り出す喜び得られのであるが、それはたちまち全国普及した紺地白く織り出され模様は、きわめて単純で素朴ながら強い健康な表現力があって、染織美術に高い位置占めるものである
 久留米絣は、福岡県久留米中心として、三潴【みずま】、山門三井浮羽八女の五郡数か町村にわたる農家副業として隆盛したが、その後技術改革急速に機械化向かい手仕事は全く少なくなった。主要な手仕事技術は、荒【あらそ】の手くびりによる絣糸つくり、徳島産の阿波藍【あわあい】による紺屋【こんや】の藍染、投【なげひ】による手織等である。
工芸技術のほかの用語一覧
手漉和紙(てすきわし):  本美濃紙  石州半紙  細川紙
染織:  久留米絣  久米島紬  伊勢型紙  喜如嘉の芭蕉布

久留米絣

読み方:クルメカスリ(kurumekasuri)

作者 檀一雄

ジャンル 随筆


久留米絣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/10 07:55 UTC 版)

久留米絣

久留米絣(くるめかすり)は、福岡県久留米市および周辺の旧久留米藩地域で製造されている[1]綿織物で、藍染めが主体[1]。あらかじめ藍と白に染め分けた糸(絣糸)を用いて製織し、文様を表す[2]伊予絣備後絣とともに日本三大絣の一つともされる。久留米絣の技法は1956年に重要無形文化財に指定され[1]1976年には通商産業大臣により伝統工芸品に指定された[3]

南方から琉球を経由して伝わった絣と別に、江戸時代の後期に、井上伝という当時12歳の少女が創始したとされる[1]。久留米藩が産業として奨励していた。一時は年間200〜300万を生産した[1][4]が、戦後は洋装化により絣の需要が激減。現在は少量の生産にとどまるなか、久留米絣を用いたスニーカーやカバンといった新商品開発など、新たな動きも出てきている[5]

織り手であった農家の娘たちが口ずさんでいた労働歌を、明治時代に買い付けに来た全国各地の商人が聞いて宿屋で芸者とともに楽しみ、商売道具のそろばんで機織りの音を再現したことから始まった「久留米そろばん踊り」が伝わっている[6]

日本の小説家、太宰治は久留米絣を用いた着物を好んで着ていた。

福岡県久留米市の水天宮にある「久留米絣碑」。

出典

  1. ^ a b c d e 鳥丸貞恵「博多織と久留米絣—伝統技術と未来への発展」『繊維学会誌』第57巻第6号、繊維学会、2001年、173-176頁、doi:10.2115/fiber.57.P_173 
  2. ^ トラベル・メイツ社『福岡県風土記1 風土と文化』金文図書出版販売、1982年2月10日、347頁。 
  3. ^ 福井 貞子『絣 (ものと人間の文化史)』法政大学出版局、2002年4月1日、294頁。ISBN 978-4588210518 
  4. ^ 明治の久留米絣製造業、本村合名会社の広告
  5. ^ humming2010 特集記事~前篇”. asianbeat - 福岡県が運営するポップカルチャー配信サイト (2010年3月10日). 2017年8月18日閲覧。
  6. ^ 今泉由美子「機織り娘 そろばんの舞い◇久留米絣の生産地 従事した少女らの歌・踊り伝承◇」『日本経済新聞』朝刊2018年7月3日(文化面)2018年9月29日閲覧。

外部リンク


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