獣脚類
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獣脚類 Theropoda | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() 様々な獣脚類
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地質時代 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
後期三畳紀 - 完新世 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Theropoda Marsh, 1881 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
獣脚類 (じゅうきゃくるい) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
下位分類群 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
獣脚類(じゅうきゃくるい、学名: Theropoda)は、竜盤類に属する恐竜の一群である。
獣脚類の恐竜は二足歩行を行い、ティラノサウルスのような陸生肉食動物史上最大級の体躯を誇る大型肉食恐竜、および、ヴェロキラプトルのような軽快な身体つきをした小型肉食恐竜を含む多様なグループである。食性においては肉食のものが多いが、魚食を主にしたものや雑食、植物食になったものなど多様な生態をもった。恐竜の中でもとりわけ多様性に富むグループであり、とりわけローラシア大陸とゴンドワナ大陸では全く異なる進化を遂げて生態系を彩っていた[1]。
また、鳥類の祖先も獣脚類に属する原鳥類から進化した(鳥類の起源)。そのため獣脚類は鳥類をも含む分類群でもある。
獣脚類の多くは羽毛を有していたことが近年の中国東北部やモンゴルなどからの羽毛恐竜の相次ぐ発見から分かってきた。初期の羽毛は単純な構造であり、進化の過程により複雑化していったとされる。元々の羽毛の機能は飛翔ではなく、保温やディスプレイ等であったのではないかとされる。
獣脚類は、いわゆる恐竜時代の初期からその終末まで全世界で繁栄し、鳥類を含めるならば、現在に至るまで繁栄を続ける恐竜の分類群である。
鳥類は、古いリンネ式分類では生物学的分類目の鳥綱 (class Aves) に分類されていた。系統分類では鳥綱を恐竜である獣脚類の系統群に分類している[2]。
分類体系
異論:2017年に発表されたオルニトスケリダ仮説では、獣脚類は竜盤類に属する竜脚形類よりも鳥盤類に近縁であるとして、獣脚類と鳥盤類で構成される分岐群であるオルニトスケリダの存在を提唱している。この仮説では、オルニトスケリダは竜盤類と同位の分岐群であり、恐竜はこの2つの分岐群で構成される上位の分岐群であるとする。また、恥骨が後ろを向くという鳥盤類の特徴は、オルニトスケリダと竜盤類が分岐した後に、オルニトスケリダ内で生じた派生形質であるとしている。
下位系統
獣脚類
- ?スタウリコサウルス類 Staurikosauridae
- ?ヘレラサウルス類 Herrerasauria
- ?グアイバサウルス類 Guaibasauridae
- 新獣脚類 Neotheropoda
- ?コエロフィシス類 Coelophysoidea
- ケラトサウルス類 Ceratosauria
- バハリサウルス類 Bahariasauridae
- バハリサウルス Bahariasaurus
- ケラトサウルス類 Ceratosauridae
- アベリサウルス類 Abelisauroidea
- バハリサウルス類 Bahariasauridae
- テタヌラ類 Tetanurae
- アヴィテロポーダ類 Avetheropoda
- カルノサウルス類 Carnosauria
- コエルロサウルス類 Coelurosauria
- コンプソグナトゥス類 Compsognathidae
- ティラノサウルス類 Tyrannosauroidea
- オルニトミモサウルス類 Ornithomimosauria
- マニラプトル類 Maniraptora
- アヴィテロポーダ類 Avetheropoda
前肢
肉食性のティラノサウルス上科やカルノサウルス類では前肢の力が強く、これは彼らが獲物を腕で拘束していた事を示している。一方で雑食ないし植物食のオルニトミモサウリアの前肢は貧弱だった。しかし全ての雑食および植物食獣脚類の前肢が貧弱だったわけではなく、例えばテリジノサウルス類は強靭な前肢を備えており、これは採食や闘争に使われたと見られている[3]。
可動性
従来、獣脚類の前肢は手をダラリと幽霊のように下げた復元をなされてきた(人間で言えば手の甲が前に向く)。例えば『ジュラシック・パーク』で描かれたヴェロキラプトルは、そうした手でドアノブを器用に回している。 しかし近年の研究により、獣脚類の前肢は、もっぱら“前へ倣え”や拍手に近い並行的な向きに伸びていた事が明らかにされた(手の甲が外側側面に向く)。どうしても手の甲を前へ向けたい場合、肘は外へ突きだす(腕立て伏せに近い)ようになる。このような動きは、おそらく地面から身体を起こす際に用いられたと思われ、実際それを示唆する足跡化石も2009年に報告されている[4]。
食性
少なくないエラフロサウルス科やマニラプトル形類は雑食ないし植物食だったものの、獣脚類は概ね広義の肉食性(昆虫食や魚食、死肉食を含む)だった。また古典的な考え方に基づくコエルロサウルス類とカルノサウルス類では、前者が敏捷性や知能に長ける小型捕食動物であり、後者は巨体による怪力に長けた大型捕食動物だと考えられてきた。しかし現在では現生のオオトカゲやオオカミなどの研究、そしてアルバートサウルスやマプサウルスの集団化石(ボーンベッド)を踏まえ、後者にも一定の社会性があった可能性が指摘されている。なお大型獣脚類であっても幼少期は当然のように小型だったため、容易に捕獲できる小動物を主な餌とし、時には死肉をも漁っていた[5]。
しばしば大型獣脚類では、その食性がスカベンジャーだったのかハンターだったのか、が議論の的となる。だがそれを確かめるのは容易ではなく、また通常の捕食動物であれば両刀使いとなるのが普通である[6]。
習性
多くの獣脚類、とりわけ大型獣脚類では、他の獣脚類と争った痕跡が頭骨に残されている[7]。この事から、獣脚類は現在のワニのように、互いの頭部を噛み合っていた事がわかる。
脚注
- ^ The interrelationships and evolution of basal theropod dinosaurs(Oliver W M Rauhut:2003)
- ^ Livezey, Bradley C.; Zusi, RL (2007-01). “Higher-order phylogeny of modern birds (Theropoda, Aves: Neornithes) based on comparative anatomy. II. Analysis and discussion”. Zoological Journal of the Linnean Society 149 (1): 1–95. doi:10.1111/j.1096-3642.2006.00293.x. PMC 2517308. PMID 18784798 .
- ^ A phylogenetic study of the section moduli of the humerus in bipedal theropod dinosaurs https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/2016APS..MAR.M1309L/abstract
- ^ Getting a Handle on Theropod Arms(Smithsonian Magazine:2009)
- ^ Speculations about the Diet and Foraging Behavior of Large Carnivorous Dinosaurs James O. Farlow The American Midland Naturalist Vol. 95, No. 1 (Jan., 1976), pp. 186-191
- ^ A recipe for scavenging in vertebrates – the natural history of a behaviour(Adam Kane:2016)
- ^ Head-biting behavior in theropod dinosaurs: paleopathological evidence https://www.researchgate.net/profile/Darren_Tanke/publication/40662860_Head-biting_behavior_in_theropod_dinosaurs_Paleopathological_evidence/links/0f31752e93ebbe497e000000.pdf
関連項目
肉食恐竜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 01:31 UTC 版)
「ジュラシック・ワールド/炎の王国」の記事における「肉食恐竜」の解説
ティラノサウルス・レックス Tyrannosaurus rex パーク最大の肉食恐竜。巨大な頭、強力な顎、凶暴な性格と、小さな手が特徴。本作で最初に登場した恐竜。 1作目と4作目に登場した雌と同一個体。「ジュラシック・ワールド」崩壊後もイスラ・ヌブラル島で生き残っていた。名前はファンから「レクシィ」の愛称で呼ばれている。1作目製作時のフィル・ティペットによる絵コンテでは「ロベルタ」との記載が見られるが、現時点でこの設定が継承されているかは不明である。 ラグーンに沈んだインドミナスの遺体を探すためにイスラ・ヌブラル島にロックウッド財団が派遣した傭兵グループを襲った。このとき傭兵グループに死者は出なかったが、結果としてラグーンの開閉システムを阻害してしまいモササウルス脱走をもたらした。 その後、オーウェンらを襲うカルノタウルスを倒して火山から逃げる最中にロックウッド財団の傭兵隊に捕獲され、檻に入れられて島から本土にある「ロックウッド・エステート」に運び出された。終盤で他の恐竜ともども解放されミルズを捕食した。サファリパークのオスのライオンと対峙して、互いに咆哮を挙げる姿も描かれている。ヤギが好物。 ヴェロキラプトル Velociraptorブルー 機敏な小型肉食恐竜。本作では「人間に次ぐ賢さを持つ」と言われて、ストーリー構成の中心でもある。 前作の4作目に登場したヴェロキラプトル部隊最後の生き残りで長女にして元リーダー。幼少期のブルー、デルタ、エコー、チャーリーら四姉妹のビデオ映像も劇中で登場した。 救出にやってきたオーウェンと再会を果たすが、武装した傭兵達に麻酔銃で撃たれた上に凶弾に倒れた。輸送中は昏睡状態となっていたが、ティラノサウルスの血を輸血しジアが銃弾を除去したことで一命を取り留めた。 本土に到着後は「ロックウッド・エステート」に運び出された。その目的は他の恐竜たちのような競売目的ではなく、新たなハイブリッド恐竜インドラプトルを今後生物兵器として売り込むために、ラプトルの中でも特に社交性の高いブルーのDNAを組み込むためであった。ウーは今後生み出すインドラプトル達の母親代わりとしてブルーを利用するつもりだったが、ジアから輸送中にティラノサウルスから輸血した事を知らされ、計画は失敗となる。その後ジアとフランクリンによって解放され、オーウェン達と協力してインドラプトルと戦い勝利する。オーウェンに「安全な場所へ連れて行く」と告げられるが、提案を断るかのようにその場を離れ、振り向きつつ去って行った。 カルノタウルス Carnotaurus 本作初登場となる中型肉食恐竜。劇中には成体2頭が登場した。 1頭はイスラ・ヌブラル島の噴火の際にオーウェンらの前に姿を現し、出くわしたシノケラトプスと戦闘。シノケラトプスを逃がした後はオーウェンを狙うも、乱入してきたティラノサウルスにノックアウトされ、首を踏み潰されてトドメをさされた。 もう1頭は本土に輸送され、終盤に他の恐竜と共に解放される。その後、ミルズを捕食したティラノサウルスに近づいて千切れ飛んだ足に食らいつくが、頭突きされ慌てて逃げる様子が描かれた。 カルノタウルスは2作目の小説版にてカメレオンのような擬態能力を持つ恐竜として登場したが、本作では通常の肉食恐竜として描かれている。4作目でもインドミナスの遺伝子のベースの一つとして名が挙げられていたが、劇中に登場するのは本作が初となる。 バリオニクス Baryonyx 3作目に登場したスピノサウルスの近縁恐竜。見た目はワニに近いものとなっている。 他の肉食恐竜と同様人間を襲う恐竜として登場した。放水路から地下の制御室に侵入し、閉じ込められていたクレアとフランクリンを襲撃した。同一個体かは不明だが、傭兵達に捕獲され、本土の「ロックウッド・エステート」に運ばれ、オークションで落札された。本作のラスト、飛行機でロシアに移送されるシーンがある。 バリオニクスは4作目でもジュラシック・ワールド内で飼育されている設定だったが、劇中に登場するのは本作が初となる。 アロサウルス Allosaurus 本作初登場となる中型の肉食恐竜。劇中に亜成体三頭が登場する。 ジャイロスフィアで逃走するクレア達の前に現れた一頭は火山噴火から逃れる途中に火山弾に弾き飛ばされる。その後2頭が捕獲され、一頭は本土の「ロックウッド・エステート」でのオークションで落札。もう一頭は終盤に他の恐竜と共に解放された。 アロサウルスはアメコミのオリジナルストーリーに登場し、実写映画シリーズに登場するのは本作が初となる。 ディロフォサウルス Dilophosaurus エリマキトカゲのように襟飾りを持つ小型恐竜。 ロックウッド財団の傭兵グループがラグーンでインドミナスの骨を捜索している時、付近のジャングルに潜伏していた。鳴き声を挙げた直後にティラノサウルスが現れたため逃げ去った。 インドラプトル Indoraptor 本作に登場する新しい遺伝子組み換えの2代目ハイブリッド恐竜。正式名称はインドミナス・ラプトル。全長7.3メートル、体重1トン。インドミナスより小柄だが、ラプトルより大きい中型肉食恐竜並の体躯を持つ。シリーズでは珍しい雄の個体であり体の所々に鶏冠(トサカ)が生えている。体色は黒で、胴体側面に一本の金色の線が走る。 性格は非常に狡猾かつ残虐。インドミナス・レックスとラプトル同様高い知能を持ち、麻酔銃を2発受けた直後に眠りこんだフリをして人間を油断させる芝居を演じて、檻から脱獄することに成功。また、展示室上の天蓋ガラスが割れやすいと知った以降は金属の骨組みだけを歩くようにするなど、発想力のある様子が描かれている。ウィートリーを騙すために眠ったふりをした際は、笑みのような表情を浮かべながら彼の死角で尻尾を振るなど、彼をからかうような場面も見られた。 「ロックウッド・エステート」の実験室でインドミナスのDNAをベースに、ラプトルを含む地球上の色々な肉食生物の遺伝子を組み合わせ、最強の生体兵器として造られた。劇中に登場した個体はブルーのDNAが組み込まれておらず未完成段階だったものの、恐竜オークションに集まっていた投資家達に紹介され注目を浴び、サンプルでありながら入札が始まった。 インドラプトルの前脚も遺伝子操作の影響によって非常に長くなっており、前脚を地面に接した四足歩行も行い、四肢の長い爪を使って屋根の上に立つことも可能。インドミナスと同じ指の本数は4本だが更に器用であり、単純な攻撃だけでは無く、物の運搬や窓の操作も可能である。後脚はラプトルの遺伝子に由来した後肢の鉤爪を持ち、敏捷性も大幅に上昇している。映画中はメイジーを追い詰め、前脚の爪で窓を開けるシーンと、後肢の鉤爪で床を叩くシーンは1作目のヴェロキラプトルのオマージュとなっている。 巨大な体躯を誇るパワー型のインドミナスに対して、本種はスピード特化型である。対人間を想定したハイブリッドであり、高い追跡能力と鋭い嗅覚・暗視能力を持つ。インドミナスが侵入し難い室内や高い所に自由自在に侵入可能で、ネコ科動物のように匂いを追跡したり、暗いところに身を隠すこともできる。ラプトルを遥かに凌ぐシャープで鋭い牙を持つ上に、成人男性の全力でも抜けない程の強靭さを誇る歯肉を持ち、麻酔弾を複数受けても昏倒しないタフネス性を有する。皮膚も強靭で、劇中ではオーウェンの撃った銃弾が貫通せず床に落ちる描写が存在している。 展示用のインドミナスと違い、軍事用の恐竜として開発されたため、「人間の銃から発せられる赤色レーザー信号の先にある目標を優先的に観察し、音波信号を与えられたら即座に攻撃を開始する」という習性を持つが、最後はこの習性をオーウェン達の作戦に利用され、一度は天井から落ちかけたところを自慢の爪で回避するも、ブルーの介入によってガラス張りの展示室の天井から落下、展示されていたアグジャケラトプスの頭骨の角が突き刺さり絶命した。 インドミナス・レックス Indominus Rex 前作も登場した遺伝子組み換えの架空恐竜で、ジュラシック・ワールドを滅ぼした「制御不能の帝王」と呼ばれた初代ハイブリッド生物。もともと展示用動物としてデザインされたにも関わらず、多彩な特殊能力を持ち、軍事に向けの戦闘能力も極めて高い大型肉食恐竜。 ティラノサウルスとブルーとの死闘の末、前作では「ジュラシック・ワールド・ラグーン」の湖から飛び出たモササウルスに襲われ溺死した。湖底に沈んでいた肋骨の一部が傭兵部隊により回収され、この骨から採取されたDNAを基にインドラプトルが作られた。骨のサンプルは終盤で逃げるミルズによって持ち出されるが、ミルズを捕食した直後のティラノサウルスにより踏み潰された。
※この「肉食恐竜」の解説は、「ジュラシック・ワールド/炎の王国」の解説の一部です。
「肉食恐竜」を含む「ジュラシック・ワールド/炎の王国」の記事については、「ジュラシック・ワールド/炎の王国」の概要を参照ください。
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