薄片
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/19 04:46 UTC 版)
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光学的鉱物学や記載岩石学の分野において、薄片(はくへん、英語: Thin section)とは、岩石、鉱物、土壌、陶器、骨または金属サンプル等を偏光顕微鏡や電子顕微鏡、電子線マイクロアナライザ等での分析のために調製したものである。岩石の薄片は、ダイヤモンド刃によってサンプルから光学的平面状に切り出される。その後スライドガラス上に設置され、30μmの厚さになるまで、研磨粒を徐々に細かくして磨く。通常、厚さを測定するゲージとして、最も豊富に存在する鉱物の1つである石英が用いられる。
互いに正しい角度にセットした2枚の偏光フィルターの間に設置すると、鉱物の光学的性質によって光の色や強さが変わる。異なる鉱物は異なる光学的性質を持つため、岩石を構成する鉱物の大部分は容易に同定できる。例えば斜長石は、写真中では、複数の平行な双晶面を持つ透明な鉱物として見える。大きな青緑色の鉱物は、斜方輝石が離溶した単斜輝石である。
薄片は、岩石中の鉱物の光学的性質を調べるために作られる。これは岩石学の一部で、岩石の起源や進化を明らかにするのに役立つ。
超薄片
特に方解石等の高い複屈折を持つ鉱物を含む岩石では、超薄片が作られることがある。通常の30μmの薄片は上述のように調製されるが、薄切りにした岩石は、エタノールに溶けるカナダバルサム等の可溶性接着剤によってスライドガラスに設置される。薄片は、粒子の小さいダイヤモンドペーストで、2-12μmの厚さになるまで磨く。この技術は、石基の粒が5μm以下ときめの細かいマイロナイト等の微細構造を研究するために用いられる[1]。また、透過型電子顕微鏡での観察や、光学及び電子画像での詳細な特徴の比較のために用いられることもある[2]。
出典
- Shelley, D. Optical Mineralogy, Second Edition. University of Canterbury, New Zealand.
リンク
- 日本薄片研磨片技術研究会
- 指先で3ミクロンまで感じ取る!日本の科学を支える「超職人」の素顔 - ブルーバックス編集部による産業技術総合研究所で薄片を制作する地質情報基盤センターへの取材。
「薄片」の例文・使い方・用例・文例
- 氷の薄片
- ペンキの薄片がいくつかまだ表面から盛り上がっている
- せっけんの薄片.
- 薄片となってはげ落ちる.
- さくさくして薄片状のパイ生地
- 金属を切り、またはたたいて薄片にして、薄葉を作ること
- 薄片あるいはまるで薄片であるかのようなもので覆う
- 薄片でできた、または、簡単に薄片になる
- 薄片状の石鹸
- 魚の薄片・マッシュポテトの揚げ団子やパテ
- コーンミールの練り粉を揚げたものの薄片
- 塩ダラの薄片とマッシュポテトで作る
- 米・堅ゆで卵・薄片にした魚の料理
- 薄片状の氷にリキュールを注いだもの
- 薄片がはがれる、抜け落ちる、またはとれることによる若干の外側の皮膚の喪失
- 薄片または木の皮または死んだ皮の表面が剥がれおちる
- 米国東部(アパラチア山脈)産の、小型で、葉が2本ずつ束生する高地性のマツで、濃褐色の薄片状の樹皮と先端がとがった球果の鱗片を持つ
- 乾燥した皮膚の薄片がはがれ落ちる、数種の皮膚疾患の総称
- 壊死した皮膚の白い薄片が頭皮から落ちる状態
- 超薄片への完全な分離が可能である形に結晶化するアルミニウム、カリウムやその他の含水ケイ酸塩からなる様々な物質の総称
薄片と同じ種類の言葉
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